プログラマブル・オシレータ SG5010 について




写真の各波形を試聴することができます(WAV形式60秒)

 テクトロニクス社のプログラマブル低歪率オシレータSG5010は, バランスまたはアンバランス出力それぞれの場合について出力抵抗を50,150または600オームのいずれかから選ぶことができます。 そしてデジタル制御されたCR位相推移回路と振幅制御回路とのループからなるアナログ発信器により, 周波数設定精度0.01%(上の写真は10kHzの設定精度を確認したもの)で10Hz〜163.8kHzの正弦波, 二つの正弦波を合成した混変調ひずみ測定用信号, プログラムされたバースト信号, または正弦波信号を10分の1に分周して生成した10Hzから16kHzまでの方形波 (下の写真は正弦波と方形波,不整合3mケーブル使用)のいずれかを出力します。
sound=1kHz sine wave   sound=1kHz square wave


残留ひずみ率の代表値は次の様になります:
 20Hz〜20kHz:   0.0010%(−100dB)
 20kHz〜50kHz:  0.0032%(−90dB)
 10Hz〜20Hz,50kHz〜100kHz:0.010%(−80dB)
 100kHz〜163.8kHz:       0.032%(−70dB)

各種IMD測定用の信号を以下のようにプログラムし出力することができます:

 ・SMPTE/DIN 2信号(写真参照,振幅比は4対1,低周波数は同一にし主信号の周波数を変えて観測したもの2種)
   中心周波数:  10Hz〜163.8kHz
   低周波数信号: 40,50,60,80,100,125,250,500Hz(精度2%)から選択して加算
   振幅比: 4対1または1対1から選択
sound=3kHz+100Hz SMPTE   sound=1kHz+100Hz SMPTE

 ・CCIF 2信号(写真参照,低周波数は同一にし主信号の周波数を変えて観測したもの2種)
   中心周波数: 2.5kHz〜163.8kHz
   低周波数信号: 40,50,60,80,100,125,250,500Hz(精度2%)から選択して乗算
      (振幅変調100%に相当: 2信号の周波数間隔は低周波数の2倍になる)

sound=1kHz * 50Hz CCIF   sound=3kHz * 50Hz CCIF


 ・残留ひずみ率
   SMPTE/DIN 2信号の場合
     振幅比4対1,60Hzと7kHzまたは250Hzと8kHzで0.0032%(−90dB)以下
   CCIF 2信号の場合
     14kHzおよび15kHzで0.0018%(−95dB)以下

バースト信号に関しては以下のようにプログラムすることができます:
 バースト数:  ON期間およびOFF期間ともに1〜65535サイクルの範囲から選択
 OFFレベル: ゼロまたは−20dB(IHFバースト)
 (写真参照,ON期間は4と2サイクル,OFF期間は10サイクル,OFFレベルはゼロ,周波数を変えて観測したもの2種)
sound=1kHz 4on+10off   sound=1kHz 2on+10off

出力に関しては以下の様にプログラムすることができます:
 バランス出力レベル:   開放電圧で0.200mV〜21.2Vrms
 アンバランス出力レベル: 開放電圧で0.200mV〜10.6Vrms
 上記最大電圧は600オーム時: 150オーム時は1.3dB,50オーム時は5.4dBダウン

前面パネル表示内容: 周波数,振幅(V または dBm),バースト数,スイープ・ステップ数など


 ひずみ率計AA5001またはAA501などとの組み合わせによる実測THD+Nは0.0010%程度になります (1kHz正弦波,1Vrms出力,30kHzフィルタ=ON,600オーム・アンバランス,rms表 示)。 そして, 外部フィルタまたはスペクトラム・アナライザ等と併用すれ0.0001%(1ppm)程度のひずみ率を簡単に測定できますが, これはデジタル制御とはいえアナログ発信器の強みではないかと思います。 その他, GPIB経由でパソコンなどと組合せて用いると短時間でオーディオ機器などのメインテナンスや客観的な総合評価を行うことができます。 また,手作業の場合でも手際よくパラメータ設定して再現性のあるデータ収集ができることから, オーディオ機器の電気特性確認のためには必須ではないかとも思えてしまう, かつ信頼するに足る信号発生器のようです。
 ところで稀にですが,SG5010でやっているような, 固定された周波数との組み合わせからなる2信号を用いた混変調ひずみ測定では不十分な場合があります。 そしてそのような応用分野においては,周波数連続可変の発信器を2台組み合わせることになります。 こういった用途には,SG5010よりも小型の発信器SG505を2台組み合わせて測定システムを構成するのが一般的だったようです。 実際,かってそのような構成のものが使われており, 特別仕様のIMひずみ測定用モジュールをAA501Aに組み込むことにより, 2台の発信器それぞれで適当に選んだ周波数の合成信号を用い, 高精度な混変調ひずみ測定が簡単にできるようになっていました。 しかし簡単な比較をした限りにおいては,通常の用途ではそのように大袈裟なことをせずとも, ここで取り上げたSG5010を最低1台用意しておけば必要にして十分なようです。


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